福の神になった少年
紹介文
皆さんは仙台四郎という人を知っていますか。仙台に行くとたくさんの商店などに写真が飾られており、写真やキーホルダー等がお土産物売り場に置かれています。この仙台四郎さんは江戸末期から明治時代にかけて仙台に住んでいた実在の人物です。彼には知的障がいがあり、ほとんど話せず「四郎馬鹿(シロバカ)」とよばれ毎日、町を徘徊していました。ところが彼がふらりと立ち寄る店は必ず繁盛し、彼が抱く子供は丈夫に育つということから、当時から大変な人気者だったようです。このような伝説から現在でも仙台の福の神として多くの人に愛され、四郎さんの「お姿」を家庭や商店・会社で飾っておくとご利益があると言われています。
読書のすすめの清水克衛さんがご紹介されていた本。いつもニコニコと笑顔でいる。穏やかでいる。優しくいる。そういうことがいかに人を幸せにするかということを切々と伝えてくれる本でした。『社会のために何も役立ってないかも』と自分に自信をなくしている人も、四郎さんのように穏やかで笑顔で優しくいることで、周りを幸せにする事が出来るかもしれないなと思えます。明るいお話ばかりではなく辛い気持ちも併せて懐に抱きましたが、心にグッとくる本でした。
詳細
- 生徒★★★・保護者向★★★★
- 福の神になった少年
- 作 丘修三 絵 村上豊
- 佼成出版社 ¥1748+税