きみの友だち
紹介文
中学高校生必読書です。ぜひ読んでください。そして、保護者の方も子どもさんの気持ちが少しでも理解ができると思います。
主な登場人物は、恵美と由香。そして恵美の弟,ブンと転校生モト。恵美は、小学生の頃の交通事故のため松葉杖を使用している。由香は、生まれつき腎臓が悪く入退院を繰り返している。ふとしたことがきっかけで、親友になる。二人はクラスの”みんな”から、相手にされていないのだが、二人はいつもそれを気にしない。学校の人気者、恵美の弟のブンちゃんは、できる転校生、モトくんのことが、何となく面白くない。この四人を中心に物語は進む。
優等生にひねたやつ、弱虫に八方美人などの、ときどき友達の輪から外れた人たちがふれあう、「友だち」とは何かを問いかける10話の短編集。
どうしてこの作者は子供の気持ちや感じていることがこんなにわかっているんだろう、と思いました。
「友だち」がたくさんいてほしいから、「友だち」からのメールにこまめに返事をして仲間でいようとしたり、「友だち」がいないと思われたらいやだからいっしょにランチする「友だち」がいなかったらトイレで隠れて食べたり、、、。
いまの中学生高校生は大変です。
もしかしたら、登場人物たちの誰かに自らが重なり、心がざわついてしまうかもしれません。
でも、小説を読みながら、自分の中の自分に「友だちってなんだと思う?」と、静かに問いかけてみたくなります。
子どもの頃に、「友だちって何だろう?」と考えたことは誰にでもあるはずです。「クラスが同じだったら友だち?」、「家に遊びに行ったら友だち?」。
”きみ”と登場人物に寄り添う形で描かれているのが、とても素敵でした。「いっしょに友だちの意味をさがそう」と言ってくれてるように思えてよかったです。
詳細
- 生徒 ★★★★★ ・保護者★★★
- きみの友だち
- 重松清
- 新潮文庫 ¥670+税