よくがんばりました
紹介文
だんじりが駆けめぐる祭りの夜。
決して交わることのなかった
父と息子におとずれる奇跡。
西条市出身の喜多川泰さんは小説・講演家であり、横浜で塾も経営されています。
今までの著作18作で累計100万部を突破しました。
そして、今治明徳中学校の校歌の作詞をしてくださいました。
また、コロナ前には講演もしてくださいました。
喜多川さんの作品はみなさんの教室の学級文庫にも何冊も置いてあると思います。
今回は3年ぶりの新作で、しかも西条祭りの「だんじり」が物語の重要なポイントになっています。
祭り好きな人もそうでない人もぜひ読んでみてください。
【本文より】
自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、
ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。
「よくがんばりました」
そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、
自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。
人間の凄さっていうのは、
すべての人が、その人の人生を
懸命に生きているところにある。
そんなことをこの物語は教えてくれます。
【あらすじ】
中学校の社会科教師として30年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師の面倒をみながら、
コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。
ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。
父親とは38年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。
時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の10月。
江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。
義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。
それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。
詳細
- 生徒 ★★★★★ 保護者 ★★★
- よくがんばりました
- 喜多川 泰
- サンマーク出版 ¥1650(税込)