君の膵臓をたべたい

紹介文

膵臓(すいぞう)の病を抱える人気者の山内桜良と、その彼女の秘密を唯一知っているクラスでは地味な僕。この2人が秘密を共有することで仲を深めていくお話。桜良の余命は1年ほど。「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に僕が付き合うことで、性格が正反対の2人が心を通わせながら成長していく。

 題名に衝撃を受けて手にとった本です。何気なく繰り返している日常は当たり前ではない。「生きているということを実感しながら毎日を生きていく大切さ」を教えてくれました。桜良と僕の漫才のようなやりとりに切なさを感じつつもほっこりします。
 この小説の中から2つの言葉を紹介します。
「私たちは自分の意思で出会ったんだよ」
「生きるってのはね、きっと誰かと心を通わせること」
 偶然ではなく自らの意思で、今関わっている全ての人たちに出会ったということ。人は1人では生きていけない。支え合って生きていかねばならない。誰かと分かり合えたとき、誰かと何かを共有できたときに「自分は生きている」と初めて実感できるのではないでしょうか。大袈裟かもしれませんが、誰かと一緒に笑い合って、時には一緒に泣いて、ああ、生きていて良かった!と思えることが幸せなことだと思います。
 映画化されて話題になっていますが、まずこの本を手にとって読んでほしいです。(A)

詳細

  • 生徒 ★★★★ 保護者★★★
  • 君の膵臓をたべたい
  • 住野よる 
  • 双葉社 ¥1400+税