新釈古事記伝(全7巻)

紹介文

この本は古事記の漢字の原文とその口語訳と、その解釈文が書かれてあります。しかし、文章は小中学生にも読める平易なもので、おとぎ話風の物語です。
 神話に込められた「やまとごころ」とは何か?ということを、こんなにも分かりやすく解説してくださっている本は他にないと思います。

 我が国の「思いやり社会」の理想は『古事記』に説かれていました
 社会全体としての他者への思いやりや親切さは国際社会でも群を抜いている事は、日本にやってきた多くの外国人が語っています。
 また、東日本大震災の中でも、思いやりに満ちた被災者たちの行動は、世界を驚かせました。
 その日本人のバックボーン(元)となる考え方が、『古事記』に書かれているのです。
 現在の日本人の「思いやり」などの元となる「やまとこころ」は、仏教や儒教などが日本に入ってくる以前からあったということが良くわかります。

 第一巻のあらすじ「袋背負い(ふくろしよい)の心」
  年頃になった大國主命(おおくにぬしのみこと)と兄神たちは、親神の希望を聞き、日本一の姫神と言われる稲羽の国の八上姫のもとへ求婚に行くことになりました。
  その際に大國主命は兄神たちから、旅の道程で必要なすべての荷物を皆の代わりに背負っていくよう頼まれます。
  大國主命は、人にものを頼まれれば万難を排して引き受けようとする心を持っていました。そこで大國主命は大きな袋を作り、兄神たちの荷物をすべてその中に入れて背負っていくことにしたのです。
  大國主命は身軽な他の兄神たちにいつも遅れ、一人後からついていきます。その様子はどう見ても従者のようでしたが、その表情には少しも悲観や怒りの念はうかがえず、いつも微笑みをたたえ、元気な足取りで
 荷物を運んでいました。
  結果的に八上姫が選んだのは、他の兄神ではなく、大國主命でした。

  大國主命(おおくにぬしのみこと)のように、人々の苦労が詰まっている袋を背負って、世の中の下積みになるような仕事をしていこうと考えることが素晴らしいのです。 
  この「袋背負い(ふくろしよい)の心」こそが『古事記』が私たちに説き示してくれている本質であり、日本人の原点、大和心の神髄なのです。

  大人たちがこの本を読んで、家庭や幼稚園、小学校などで子供たちに話して聞かせたら、日本は素晴らしい心を持った子どもたちで充ち満ちていくでしょう。

  (学校にも1セットありますので読んでみたい方は遠慮なさらないで、申し出てみてください。)

詳細

  • 生徒★★★★  保護者★★★
  • 新釈古事記伝(全7巻)
  • 阿部國治、栗山要(編)
  • 致知出版社 ¥12,960円(税込)