書斎の鍵

紹介文

生徒の皆さんにも、大人にも、読書離れしている人たちに、是非だまされたと思って読んで欲しい本です。とても読みやすくてわずか半日で読めました。そのうえ、内容の濃さと、おもしろさにぐいぐい引き込まれました。

  おなじみ、喜多川泰さんの書籍です今治明徳中学校の先生方の昨年度の人気第1位の本です。先生方の多くが本を集めたくなったり、書斎を作りたくなりました。ただし、家族はあまり理解してくれませんがね(笑)。特に、ほとんどの先生がグッと来るページがあります。そのページは・・・秘密です。読んでのお楽しみです。

  この作品を手にとって最初に驚きます。途中で紙質が変わるんです。私にとってそんな本は初めだったので、その時点でかなりワクワクしてしまいました。製本時のミスではなく、意図的なものです。こんな表現方法もあるんですね。そして真っ黒に装丁されているのも驚きでした。いつも勇気と学びが得られるはずの喜多川作品が真っ黒ってどういうことかと。

  内容は、事故で右手に障害が残ったサラリーマン浩平は、ある日突然父の訃報のため郷里に帰る。そこで、彼は亡き父の遺言を受け取る。遺産は父の書斎。しかし、書斎を開ける鍵は「しかるべき人」に渡してあると書き残してあった。読書嫌いの彼に書斎は無用の長物としか思わなかったけれど、遺言にあった「しかるべき人」を探して鍵を見つけたいと思う。そんな書き出しから、最初は「書斎の鍵」を持っている人を探すミステリータッチで読者を惹きつけるが、しかし、本書はそんな簡単なものでなく、人生でもっとも大切なものは何か、主人公と読者が共に気づきを得るストーリーです。

  最後に、今まで何度か人から本を贈られたことがありましたが、それを読まずにいたものも少なくないです。今からでも遅くはない、探し出して読んでみます。そんな思いになれました。

詳細

  • 生徒★★★★★★・ 保護者★★★★★
  • 書斎の鍵
  • 喜多川泰
  • 現代書林 ¥1400+税