休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」①
新型コロナウイルス感染拡大の中、世の中は大変な状況になっています。
その中で致知出版社のブログに次のような記事が掲載されていましたので紹介します。
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『ビジネスリーダーのための歴史失敗学講義』などの著書がある、
作家の瀧澤中(あたる)先生から一通のメールが届きました。
「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか?
不安を和らげてあげられないか?」
そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、
「人間力メルマガ」にて、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。
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テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」①
学校にかよっているみなさんへ。
これから5日間、あなたにあてて、手紙を書きます。
なにを書くのか。
あなたが不安なとき、あなたが勇気をほしいとき、きっと役に立つ5つのことを書きます。
なんだかわからないけど、危険が迫っているらしい。
お店からモノがなくなっていて、不安。
いつ、ふつうの生活にもどれるのか、わからない。
恐怖や不安で気をつけることは、そのことで心がいっぱいになり、
自分の大切な時間をムダにしてしまうことです。
あなたが与えられた、思ってもいなかったお休み。
恐怖や不安でムダにすることなく有効に使える1つ目の方法を、お教えします。
「たった2年半で、総理大臣2名と大臣7名、大学の創始者を2名つくった塾。
入塾試験、なし。成績、関係なし。
授業料、無料。年齢、10歳でもOK」
そんな塾があったら、行ってみたいと思いませんか?
ただ、入塾のとき、1つだけ聞かれます。
「何のために学ぶのか」、と。
このとき、「成績がよくなりたい」なんて答えでは、だめなんです。
塾の先生は、
「成績よりも、学んだことを世の中のために実行すること、それが大事です。
本を読んだり、勉強することは誰でもできる。
成績を上げるのも、誰でもできる。
大事なのは世の中のために、勉強したことを活かすことなのです」
なんだか、むずかしいですねぇ。
でもこれ、実はすごく勉強をするきっかけになるんです。
この塾には、もともと勉強のできる子もいましたが、タバコばかり吸う、どうしようもない不良少年や
正規の学校では怠けてばかりの子も、たくさんいました。
でも、入塾したあと、彼らは一所懸命勉強するんです。
それは、「世の中のために役立ちたい」、そういう気持ちを持ったから。
もっとわかりやすく、言い換えましょう。
たとえば。
あなたがひまつぶしにコンビニに行くときは、べつに急がず、だらだら歩くかもしれない。
でも、家族が急病で、お医者さんを呼びに行くとなったら、あなたは、だらだら歩きますか?
きっと一所懸命、走るのではありませんか?
だらだら歩けば、10分。
一所懸命走れば、3分。
これが、「自分以外の人のために役立ちたい」ということの、
時間的な違いなのです。
たった7分の差。
でも、これが毎日だったら、どれほど大きな差になるでしょう。
実は人間は、他の人のためなら、走れるのです。
塾の名前は、「松下村塾」。
聞いたことがあるかもしれませんね。
先生の名は、吉田松陰。
吉田松陰は、わずか29歳で、刑死します。
吉田松陰が松下村塾をやっていた時期は、松陰は仮釈放中だったので
いつまた牢獄につながれ、死ぬかもしれない。
そういう「恐怖」の中にいました。
でも彼は、恐れません。
なぜなら、彼は「自分以外の人のために役立ちたい」と思っていたから。
他の人のために生きる人間は、自分がどうなるか、ということは後回し。
だから、不安も後回し。
そして、自分のためではなく世の中のために頑張らなければいけなかったから、
サボってなんかいられません。
塾にいた生徒たち、不良も、貧しい家の子も、怠け者も、
「なんのために勉強するのか」、を問い、
「世の中のために役立ちたい」、
そう考えたから、わずかな時間で大きく成長します。
だって、自分のためなら、サボっても自分が損するだけだけど、
世の中のためなら、サボったら、世の中が悪くなってしまいます。
たとえ自分の生活のすべてでなくてもいい。
そういう気持ちを、ほんの少し持つだけで、人は強く、そして勤勉になれるのです。
まあそうは言っても、人間は弱いものです。
どうすれば、「世の中のために役立ちたい」なんて気持ちになれるのか。
次回は、そこからお話ししましょう。
けっして、むずかしい話ではないんです。