休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」④
休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」④
「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか?
不安を和らげてあげられないか?」
そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、作家の瀧澤中さんが
「人間力メルマガ」にて、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。
その第4回です。(全5回)
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学校での落第、4回。
転職の回数、およそ20回。
しゃべるのがヘタで、人とのつきあいもうまくない。
冗談を言って、出世のチャンスを逃す。
なんだか、いろいろな失敗がありますね。
でもこれ、全部、のちに総理大臣になる人たちの若い頃の話なんです。
落第4回は、石橋湛山(いしばし たんざん)。
しょっちゅう転職していたのは、高橋是清(たかはし これきよ)。
社交的でないのがずっと悩みだったのは、浜口雄幸(はまぐち おさち)。
冗談で出世のチャンスを逃したのは、吉田茂(よしだ しげる)。
そうそう、有名なアメリカのリンカーン大統領は、大統領になるまでの間、
いろんな選挙に9回も落選しています。
戦国時代の英雄、豊臣秀吉は、若い頃、ある侍の家で働きますが、
仲間とうまくやっていけずに、クビになります。
農民から天下人になった、人から好かれて出世した、あの秀吉が、ですよ。
明治維新の立役者、西郷隆盛は、上司に嫌みを言って、遠くの島に送られてしまいます。
弱みのない人なんて、いません。
英雄も、大統領も、総理大臣も、みんな私たちと同じように、弱点や悩みを持っているのです。
では、彼らは弱点や悩みを、どうやって良い方向にもって行ったのか。
簡単です。たくさん、たくさん、失敗したのです。
失敗するには、チャレンジしなければなりません。
チャレンジして、失敗して、反省して、またチャレンジする。
そうやって弱点や悩みを、少しずつ良い方向にもっていったのです。
日本に親近感を持っていたことで知られるアメリカの大統領、
セオドア・ルーズベルトは、「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」と言っています。
失敗した、ということは、間違いなく、なにかにチャレンジしたわけです。
ですから、失敗は、ものすごく大切なのです。
だって、チャレンジしなければ、なにも実現しないのですから。
そうはいっても、できれば失敗はしたくないですね。
先ほどふれた、戦前の総理大臣・浜口雄幸(おさち)は
「自分は、失敗の数はたくさんあるが、成功の例はきわめて少ない」と言っています。
その浜口が自分の失敗を反省して「成功のひけつ」をのべています。
成功のひけつの第一にあげているのは、
「自分がやる仕事が、世の中のためになる仕事であること」としています。
なぜなら、そういう仕事は、信念を強く持てるから。
この信念をふくめ、8つのことをのべていますが、
いちばん最後の8つ目を「もっとも大切なところ」と言っています。
それは、「最後の5分間のふんばり」。
もう、くたびれて一歩も前に歩けない、そんなときでも、あと一歩、前に出るのです。
つかれきって、勇気が出ない。
でも、「最後の5分」、その最後のところで、もう一歩だけ、前に進むのです。
失敗には、いろいろな種類があります。
中でも、あと少し準備をしていれば防げた、ということが、とてもたくさん起こります。
後悔をしないためにも、「最後の5分間」をふんばってみませんか。
失敗は、してもいい。
でも、後悔しないためにも、「最後の5分」を、やり抜きましょう。
たとえば勉強なら、あと1ページ、読み進めましょう。
あと1語、漢字を、単語を、覚えましょう。
あと一歩、前に進めるのです。
そうすれば、どんな結果であっても、きっと次につながります。
さて。次回は、いよいよ最後です。
「未来を予測する最良の方法」って、なんだと思いますか?
みなさん、あすまで、考えてみましょう。
おたのしみに。