子育てに自信がなくなった時に
日本講演新聞のコーナーに「たまちゃんの人生相談」というのがあります。
このたまちゃんは元中学教員の小玉宏さんです。小玉さんには今治明徳中学校
にも講演会で来ていただいたことがあります。考え方がとても素晴らしく、
いつも納得させられることが多いのです。
その人生相談での解答が保護者の皆さんの参考になるような気がしますので紹介します。
【相談】子育てに自信がなくなった時どうすればいいですか?
【解答】
「子育てに自信がない」という人、結構多いですね。
そういう人って共通点があるんですよ。
「子育てだけは失敗しちゃいけない」と思っているんです。
でもね、そんな思いで子育てをされたら子供は窮屈でたまらないでしょう。
子どもに百点満点を求めるのですから。
そういう人は自分に厳しい人が多いです。
自分に厳しいと、他人にも厳しさを求めるようになります。
「自分がこれだけ頑張っているんだから、あなたもきちんとやってね」って。
まずは自分に優しくしてあげてほしい。
「今日はここまで頑張ったから十分やん」とか、
「昨日より成長しているし、一年前よりもずっと成長しているからこれでいいじゃん」
と思いながら生きていると、相手に要求をぶつけることもなくなってきます。
たまちゃんはたくさんの家庭を見てきました。
そして一つ、分かったことがあります。
素直にのびのび育っている子どももいれば、
何かにおびえるように、人の顔色をうかがいながら生きている子どももいる、ということです。
たまちゃんは気になったので調べました。
のびのび育っている子どもの親が何をやっているのかということを知りたかったのです。
教師時代、たまちゃんは事あるごとに親御さんと話してきました。
参観日に親御さんが来ていたら、「ちょっと後でお話、いいですか?」というんです。
普通、「先生から親御さんに話がある」というと、
たいていの親御さんは「うちの子が悪さしたのかしら」みたいに警戒します。
だけどたまちゃんが親御さんと話をするときは子どもをほめる時だけです。
親御さんに「お宅のお子さんは本当に天真爛漫でのびのび育って、素直で素晴らしい。
どんな子育てをしているんですか?今日はその話が聞けるのを楽しみにしていたんですよ。」と話すと、
親御さんはほっと一安心されたような表情をして教えてくれます。
でもね、しばらく親御さんと話しているとわかります。
そういう親ってぽわーんとしているんです。
子どもが「うちの親は私がいないとダメなんです」と言う、そんな親です。
親も子どもに「あんたのおかげで助かるわ」と言っている。
そういう親御さんのもとで育ったお子さんが本当にのびのび育っています。
逆に、人の顔色をうかがいながら生きている子どもの親御さんに
共通点があるとしたら、普段の声掛けですね。
「早くご飯食べなさい」「早く勉強しなさい」「あんた、いつまでダラダラしているの」、
そんなことを子どもに言っている。
「子どもは生きているだけで百点満点」
心からそう思えた時、子どもはのびのびと素直に育ち始めますよ。
ウソだと思うなら心からそう思ってみてください。