「人生は美しいことだけ覚えていればいい」
致知出版社のメルマガで『1日1話、読めば心が熱くなる
365人の仕事の教科書』の一部掲載されていましたが、
佐藤愛子さんの話が心に響きましたので紹介します。
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「人生は美しいことだけ覚えていればいい」
佐藤愛子(作家)
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私の場合、言葉によって
支えられたということはないですね。
言葉が先にあって、
その言葉で力づけられ自分の人生が
決まったというのではなく、
自分の人生が先にあって、
人生観なり自分の気質なりに
ぴったり合う言葉を見つけた時に、
嬉しくなってそれが力杖になる、と
いうことだと思うんですね。
そういう意味で気に入った言葉の一つに、
「人生は美しいことだけ覚えていればいい」
という沢田美喜さんの言葉があります。
ご存じのように沢田美喜さんは
エリザベス・サンダース・ホームを創設し、
たくさんの戦災混血孤児を育てた方ですが、
私はテレビで沢田さんが
この言葉を言ってらっしゃるのを見て、
非常に感動したんです。
ホームで育った黒人の混血孤児なんですが、
成長して二十七、八歳の青年になって、
アメリカへ自分のお父さんに会いに行く。
ところがお父さんは喧嘩か何かして
監獄に入っているんですね。
胸が潰れるような思いでその青年は、
沢田さんが来るのをニューヨークの
公園のベンチに座って待っている。
沢田さんの姿が見えると青年は駆け寄って、
抱きついて、思わず泣くんです。
その時に沢田さんが英語でね、
「泣いてはいけない、
人生は美しいことだけ覚えていればいい」と言って、
青年を励ますという場面があるんです。
長いこと生きてくると、
いろいろな経験をしてきますけど、
楽しいことよりも、美しいことのほうが
心に残るということが分かります。
美しい自然、人の美しい心。
そういう美しいことだけ覚えていれば、
人生捨てたものじゃない、と
いうふうに思えるわけでしてね。
さすがに沢田さんはいいことを言われるなあと、
感銘を受けましたね。
(中略)
我われは何かにつけて、取るに足りないことで
愚痴をこぼしたり、泣いたりしがちですけどね、
そういう時に「上機嫌」というのを
義務の第一義に置くと、生きていく力が
出るんじゃないかと思うんですよ。
私はすぐに怒る人間として知られているようですけど、
怒る時も上機嫌に怒ってましたから、
まあまあ元気にやってこられたんじゃないかと思いますよ。
上機嫌に怒るということは、
つまり、あとに怒りの余燼——
憎しみや怨みを残さないということです。
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人生が豊かになるためには、
①人生は美しいことだけ覚えていればいい
②人の長所だけ見つめるのがいい(美点凝視)
どうやらこの2つが大切らしいです。