「花を100本贈りました」志賀内泰弘

いつも紹介している志賀内泰弘さんの新刊「人生にエールを。〜はげまし、はげまされ」
が発売されます。その中から一つのお話を。
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「花を100本贈りました」

 第一波の非常事態宣言で、家に引き籠っていた時のことです。
このコロナ禍で甚大な経済的被害を受けている人たちの、何か手助けができないだろうか。
そう考えていた矢先に、東京の友人から、「力を貸してあげて欲しい」と電話がありました。

 「友人から花を買ってもらえませんか?」 

その友人は、福岡県で花卉農家を営んでいるとのこと。
主に、ガーベラを栽培しています。
年度末から新年度のパーティ、ゴールデンウイークに続いてジューンブライドと、
ほとんどのイベントが中止・延期になってしまった。
でも、花はコロナとは何の関係もなく成長を続けて花を咲かせます。
このままだと、温室のすべての花を廃棄処分しなくてはならないというのです。

「処分・・・」

その一言に、なんだか悲しくてやりきれなくなりました。
花には罪はありません。貯金通帳とにらめっこしつつ、こんな計画を立てました。
日頃、お世話になっている友人・知人100名に、ガーベラを100本ずつプレゼントしよう!

 でも、ただ贈るのでは、それっきりになってしまいます。
いや、それよりも怖いのが「お返し」です。
きっと、「お返し」に大量のお菓子が届くに違いないと思いました。
そこで、「花卉農家さんの応援です」という趣旨説明に加えて、こんなメッセージを添えたのです。

 「お返しは不要です。その代わり、他の友人に『恩送り』をしてください。
私に「お返し」したら、「こころ」は往復して終わりです。

でも、次から次へと「こころ」をプレゼントという形に変えて、
「恩」を送ったら何倍もの経済効果になります」 

100本の花を1本ずつキレイな紙で包んで、道行く人にプレゼントした友人がいます。
その花卉農家さんから、追加で大量の話を買ってくれた友人もいます。
マスクを、私と同様に大勢にプレゼントした友人もいます。 

いろんなエールの送り方があります。
エールは、贈られた人だけでなく、贈った人自身をも元気にします。
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私も誰かにエールを送ります。