『小さな息子の親孝行』(志賀内泰弘)

志賀内泰弘さんのギブ&ギブメルマガから紹介します。
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『小さな息子の親孝行』

突然のことだった。息子が発熱したある日。
はじめての熱性痙攣の重責発作を起こした1歳の息子。
痙攣は病院についても止まらず、唇は真っ青。
本当に生きた心地がしなかった救急車の車内。 

病院でも、手に負えず大学病院へドクターヘリで転送になってしまった。

今まで病気一つなく健康ですくすく育ってくれた息子。 

保育園生活にも慣れてきていた頃だった。

息子がヘリに乗り空を飛ぶ姿をみて、涙が止まらなかった。
病院でも家族控え室で家族みんなが集まり、不安な気持ちだった。

 医師からは、痙攣の原因も不明であり、血液データが悪すぎて、
輸血をしても今夜が山場かもしれない。
そんなことを言われ、夫婦で涙していた。 

長時間痙攣したことで、後遺症も否定できないと言われ、
頭を金槌で殴られるほどの衝撃をこの時感じていた。

集中治療室の息子は、静かに眠っており手を夫婦でにぎることしかできなかった。

 可愛い息子の笑顔が、もう戻らないのではないか。
普通に過ごしてきた日々が、どれだけ尊いものだったのか。
忙しい日々の中で忘れていたことを悔み、海の底にいる感覚だった。

後日、息子は意識を戻したと病院から連絡をもらい駆けつけた。

 「ママー! パパー!」
ギャンギャン泣いて、点滴を引っ張り、暴れて泣いていた。

そんな姿をみて、心の底からホッとしみんなで泣きながら抱き合った。

 小さな命が、日常の生活の尊さを考えさせてくれる時間を与えてくれた。

 私たち夫婦からしたら、助からないかもしれない息子が命をかけて、
命の大切さを教えてくれたこと。
元気に回復してくれて、本当に親孝行だと感じた。

 息子の笑顔が以前に増して輝かしく感じ、
この笑顔を守って生きていきたいと思えるエピソードであった。

息子が今回のような経験をしたからこそ、命の大切さ、
家族の大切さ、日々の尊さを教えてくれたと思う。
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日常の当たり前の出来事がかけがえのないものだということ。
肝に銘じて行動していかなければなりません。