いつも上機嫌でいられるヒント
致知出版社の人間力メルマガ(2019.1.5)から紹介します。
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何度か「コトバの力」でも紹介させていただいた鈴木秀子さん。
彼女の著書『自分の花を精いっぱい咲かせる生き方』から、心に響く一話をご紹介します。
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いつも上機嫌でいられるヒント
フランス系のカトリックの学校では、かつて「おはようございます」という代わりに「ごきげんよう」と挨拶する習慣がありました。
フランスでは、いつも機嫌よくしていることが大事な社会的マナーとして定着しているのです。
上機嫌に振る舞おうとすることは、その人にとって大きな力となります。
試しにどんなに疲れていても、ニッコリ微笑むことを心掛けてみてください。
沈んでいたエネルギーが自ずと高まって、周囲の見方が変わり、皆いい人に変わっていくことでしょう。
私の親しい方のお母さまが100歳で亡くなりました。
最後の3年間は、ある大病院で過ごされていましたが、認知症が進み、
はっきり口にできるのは朝晩の挨拶と「ありがとう」という言葉くらいでした。
このお祖母さまは病院のスタッフが病室に入ってくるたびに、
屈託のない笑顔で「ありがとう」と挨拶して頭を下げます。
最初は気に留めなかったスタッフも、しばらくするとお祖母さまの笑顔を見ないではいられなくなりました。
朝出勤すると、机に荷物を置く前にまずお祖母さまの病室を訪れて声を掛けます。
「おはよう、ありがとう」という声を聞いて一日の仕事をスタートすることが日課になっていったのです。
そして、夕方、退勤する時もお祖母さまから笑顔のエネルギーをもらい、機嫌よく帰途につくようになりました。
それだけに、お祖母さまが天寿を全うした時、スタッフは皆、深い悲しみを味わいました。
ある医師は「朝夕、お祖母さまの病室に足を運んだので、
お祖母さまの笑顔を見ないと一日の区切りがつかないくらいでした。
疲れて帰宅しても、家族の前では機嫌よくしようと心を切り替える習慣が身についたのは、お祖母さまと3年間接していたおかげです。
お祖母さまは私にとってとても大きな存在でした」と話していたそうです。
お祖母さまは何か特別なことをやったわけではありません。
病室を訪れる人に「ありがとう」と笑顔で応じていただけです。
それだけでも、周囲の人は毎日会わずにはいられなくなってしまいました。
いつも上機嫌であることは、周囲にここまで力を与えるのです。
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以前も「コトバの力」で紹介しましたが、
「自分の機嫌は自分でとる」と周りのみんなが幸せになります。
できるだけ、「笑顔」と「ありがとう」を使いませんか。