この家族でよかった

毎日読みたい『３６５日のコピー』から紹介します。
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この家族でよかった

わたしはいま、おとうさんとあまりしゃべりたくない。
前はたくさん話す日もあったけれど、
しゃべると意見があわなくなって大げんかになって、
口もききたくない顔も見たくないって思ってしまう。
いつも心配ばっかりされるところがうっとうしい。
なんで無視してんのにニコニコ話しかけてくんのん。
ときどき本気で叱ってくるところもイヤやし。
でもおとうさんは、それが親っていうもんやって言う。
一緒に暮らしているから家族なんじゃなくて
相手のことを思ったり、心配したり、本気で怒ったり、
誰かうれしそうやったらみんなでうれしい、
そういうのんがあるから家族なんやって言う。
わたしもいつかはこの家を離れていくんかもしれんけれど、
自分にも家族とかこどもとかできたら
そういう気持ちわかるようになるんかなあ。
この間、夕食のとき酔っぱらって
この家族でよかったってしみじみゆうとったけど
意味わからんなあ。
(福井新聞社　２００９年)
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毎日会っているからぶつかり合うことが多いのです。
本気で相手のことを思っているからおせっかいになるんです。
家族だから本音が出るんです。

「この家族でよかった」と言いあえることが何よりの幸せです。