エネルギー泥棒

「人生の結論」小池一夫著から紹介します。
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「エネルギー泥棒」から、身を守ることは大事なことです。
エネルギー泥棒はとにかく人を否定してやる気をそぎます。

僕が小学生の頃、隣の席の女の子が苦手な算数の問題を一生懸命解いて、
教師に喜んで見せに行ったところ、「誰に答えを見せてもらったんだ」と、
教師が叱責(しっせき)した場面が今でも忘れられません。
もしかすると、その女の子が算数や数学に目覚める大事なきっかけの瞬間だったかもしれないのです。
大人の世界も同じです。エネルギー泥棒は身近にもたくさんいるのです。
彼らは常にネガティブな言葉で人のやる気をそぎます。
その人たちの深層心理は、人を自分のコントロール下に置きたい、
もしくは、自分を追い越して行く人が目障り(めざわり)だといったところでしょうか。
気をつけなければいけないのは、あなたのためを思ってという
善意の顔をしたエネルギー泥棒です。

僕の友人の医師は、大学受験の時に絶対にその大学は受からないからと
進路変更をさせられそうになったそうです。
しかし、その教師とけんかをしてまで受けた大学の医学部に結果的に受かり、
今は、優秀な医師として活躍しています。
彼は今でも、あの教師の言うことを信じていたら、
自分は全く違う人生を歩んでいただろうと思うと、ぞっとすると言います。
他にも、そんなことでは「将来の保証はないぞ」という最悪の脅し文句で
人をコントロールしようとする人もいます。
エネルギー泥棒と、真剣なアドバイスをくれる人を混同してはいけません。
なりたい自分になるのか、人に求められている自分になるのか、
そこの信念をはっきりともっていればその人の区別がつくものです。