一生懸命仕事をしても成果をあげられる人・あげられない人(鍵山秀三郎)

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一生懸命仕事をしても成果をあげられる人・あげられない人
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トイレそうじで有名な鍵山秀三郎さんが以前セミナーでこんな話をされていました。  

「世の中で皆様が、それぞれに努力をされていらっしゃるのですが、
 一生懸命仕事をされても、成果を上げられる人、上げられない人の両方があります。
 成果を上げられる人をA、上げられない人をBとすると、
 Bの人は、なまけて遊んでいるかというとそうではなく、
 むしろBの人の方が、Aの人よりも 一生懸命長い時間休まないで、
 働いていることの方が多いのですが、
 結果をみると成果につながらない人が割合多いのです。」

どうしてこういうことになるのでしょうか。

「Bの人は、やる事為す事に、無駄が多く、
 やってもやってもエネルギーが無駄に流れてしまって、
 成果につながらないわけです。

 無駄が多いということは、
 例えば自分の手元にある商品の価値がわからない、
 そのものの持っている命がわからないから、
 自分の手の中にある商品の魅力を見出すことができなくて、
 絶えず目がよそへ散ってしまうことが多いということです。

 当然Aの人は、無駄がない、あるいは無駄が少ない
 ということになるわけです。」

  それではどうしたら無駄が少なくなるのか。

  鍵山さんはいいます。
 「当然いつもこういうことに気をつけて、気づく人になることです。

  これはあたりまえのことでわかっていることですが、気づく人になかなかなれない。
  なろうと思ってもなれるものではありません。

  どうしたら気づく人になれるかというと、
  私はいつも、気づく人になる方法を二つお話しています」と。

    気づく人になる方法は何だと思いますか?

  「一つは、微差。あるいは僅差をいつも追求しつづけるということです。」
 と言われています。

  一ミリでも二ミリでもこっちの方がいいと思ったら、
 そっちの方をずっと追求していくということです。

 普通、僅かな差だとつい馬鹿にしてしまいます。
 「例えば、今までAという方向でものを売っていたが、
 これをBに変えるとします。
 この差が大きければ誰でも変えるのですが、ほんの僅かしか結果は変わらない、
 あるいは成果がよくなるかどうかわからないということになると、
 だいたいやらないで、今までやってきた方法を続けてしまいます。」

  でも自分は、ちょっとでも1ミリでも2ミリでもいいと思ったら、
 そっちの方へ、微差、僅差を追求していく。

  ほんの僅かでもいいと思ったら、それに取り組んでいく。
  そうして長い年月を積み重ねていくと、大きな力となってくるのです。

 だから鍵山さんもコツコツコツコツと、なんでこんなことをと
 人から馬鹿にされるようなこと、手間のかかるようなことをやってこられたのです。

  そうしたら、ああしたらいいな、こうしたらいいなと気づきが連関してくる。

  気づきが連鎖する。
  一つのことに気づく人は他のことにも気づくようになるのです。
  ここが大事です。

  だからちょっとでもこっちの方がいいと思ったら、それを追求していく。
  そうしたら長い歳月の間に、こんな差になってくる。

  気づきが連鎖する。それが大きな差となるのです。

  微差、僅差を追求し続ける。
 それが気づく人になる第一の方法です。

 では2つ目の方法は?
 「気づく人になるもう一つの条件は、人を喜ばすということです
 絶えず人を喜ばす気持ちで仕事をする、人生を送る、毎日を送るということです。
 これを一年続けていれば、人が変わるくらい気づく人間になってしまいます。」

 私も本当にそうだと思います。
 身近な人に、上司に喜んでもらおうと思うこと。
 喜ばすというのは、ゴマをすることではないですね。

 どうしたら喜んでもらえるだろうか、とずっと人を喜ばすことを
 考えていったら、気づく人間になるんです。

 そこでまた気づきが連鎖していく。そうしたらその人の人生は変わっていくのです。

 大事な人生の真理を鍵山さんは平明に語っています。
 まさに現代の覚者です。