二人の運命を分けたものは(冬山での遭難)

高木善之さんの「オーケストラ指揮法」から
著者である高木さんの「子育て」を紹介します。
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冬山での遭難

うちの近くに金剛山(標高1125m)があり、学校や家族でもよく登ります。
冬には雪が積もります。
その山で小学生が迷子になるという事故が2件ありました。
一人は翌日、雪の中に穴を掘ってじっとうずくまっているところを無事に助けられました。
もう一人は凍死していたのです。
当時の新聞によると、
「助かった子は、父親がいつも『何かあれば必ず助けに行く。じっとしているんだぞ』
と話していたため、その場で助けを待ったという。
父親は実際に捜索隊に参加していた。
一方、亡くなった子は、パニックを起こして歩き回って
体力を消耗して凍死した模様」とのことでした。

この記事を読んだ私は、
「この二人の運命を分けたものは何だろう。
この子の死を無駄にはしたくない」と考え続けました。
そして、大切なことに気づきました。
何事も「受け止める」ということです。
「受け止める」ことができるとパニックを起こしたり、
誤作動を起こしたりすることはありません。

本当のことはわかりませんが、私はその時、自分なりに次のことを決意しました。
「最も大切なことは生きることだ。どんな状況でも幸せに
生きていくことのできる力を身につけることなのだ。
そうだ、子どもに大切なのは学歴や偏差値ではない。
どんなことがあってもパニックを起こさず、現実を受け止め、
冷静に生き抜くことなのだ。それには何も恐れないこと、
誰とでも仲良くするだけの度量と勇気が必要なのだ。
親が子どもに与えるべきものは、どんな状況でも生き抜く力、
誰とでも仲良くできる力なのだ」と。

これが私の子育ての根本になっています。
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究極の子育て論でした。
あなたが考える「子どもたちの生きる力」とはどんなものですか。