人を動かすのは地位や肩書ではない
「自分が好きですか」林覚乗著から紹介します。
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ある企業が、七階建てのビルを持っていました。
各階に社員用のトイレがあるのですが、それがいつも落書きで汚されてしまいます。
社長自ら注意をするのですが、一向に効き目がありません。
「お前たちは、なんという馬鹿者か!」と怒鳴りたいのですが、
「その馬鹿を選んだのはあなたですよ。」と言われたらおしまいです。
ストレスはたまる一方。
とうとう社長もさじを投げてしまいました。
ところが、それでもあきらめない人がいたのです。
トイレ掃除のおばさんです。
おばさんは西洋史を四つ切りにした小さな紙に、お願い状を書き、
すべてのトイレの入り口に貼りました。
するとどうでしょう。
あくる日から一切の落書きが消え去りました。
驚いた社長が見に行くと、そこにはこう書いてありました。
「ここは私の大切な職場です。この職場を落書きで汚さないで下さい。」
おばさんが、「トイレは大した仕事ではない」と思ったら、大した仕事ではありません。
反対に、「トイレ掃除は、私のとても大切な仕事なのだ」と思えば、
素晴らしい重要な仕事となるのです。
そして、大切にしなければいけないんです。
社長は初めて気づかされました。
「肩書じゃないんだ。与えられた役割、仕事をどういう姿勢でやっているか、
そういう心がけが大切なんだ。
思いを変えることによって、職場を変えることができるのだ」と。
3K(きつい、汚い、危険)という言葉があります。
本人が3Kと思ったら、そこは3Kの職場となります。
しかし、「私にとっては、ここが大事な職場なんだ」と思ったなら、
どんな職場だって素晴らしい職場になるのです。
要は、自分の心がけを変えることができる強さを、持っているかどうかの問題なのです。
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あなたは「与えられている役割」をどんな気持ちでしていますか。