写真だけではなく心に焼きつける

志賀内泰弘さんのブログ『第1963号ギブ&ギブメルマガ 』から紹介します。
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カフェに入ってコーヒーを飲んでいたら、隣りの席の若い女性たちの会話が聞こえてきました。
けっして、聞き耳を立てていたわけではなく、「聞こえてしまった」ので、ご勘弁ください。

彼女たちのテーブルに、デコレーションされたパンケーキが運ばれてきました。
いや〜おいしそう。すると、みんなバッグからスマホを取り出して撮り始めました。
SNSにアップするためでしょうか。角度を変えたりして、何枚も撮っていました。
四人のうちの一人が言いました。
「○○ちゃんも撮ったら?」
すると、「○○」と呼ばれた女の子が答えました。
「いいの私は」
「なんでー」と別の子が言います。
「心に焼き付けておくからいいの」
「何それ、ヤバイ、カッコイイ!」
「別にそんなんじゃないけど・・・」

一人だけ、写真を撮らなかった女の子の真意はわかりません。
でも、すごくわかる気がしました。

旅行に出掛けると、ついつい写真を撮りたくなります。
新しいカメラを買ったり、スマホを新機種に変更したりした後は、いつもより写真をたくさん撮ってしまいます。
でも、写真を撮ることに夢中になり、その場で景色を「味わう」ことを忘れてしまいます。
カメラには記憶するけれど、心には記憶しない。
なんとももったいない話ですが、ついつい「ああ〜キレイだな」と思うと、写真を撮ってしまいます。

ところで、写真を撮らなかった女の子は、目がいいのかな。
記憶力もいいのかな。何より、仲間に流されず、自分の「生き方」を貫いているようで輝いて見えました。
  (中略)
パソコンのワープロソフトのせいで(おかげで)、漢字が書けなくなる。
カーナビのせい(おかげで)、道順が覚わらない。
電卓のせいで(おかげで)、暗算ができなくなる。
便利を一つ手に入れると、何か大切なものを一つ失う。
それがわかっていても、便利に手を出してしまう。
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時々、本当に大切なものが何かを考えましょう。