大きな岩と小さな岩①
『座右の寓話』(戸田智弘著、ディスカバー社)から紹介します。
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「クイズの時間だ。」
教授はそう言って、大きな壺を取り出し教壇の上に置いた。
その壺に、彼は一つ一つ岩を詰めた。
壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、彼は学生に聞いた。
「この壺は満杯か?」
教室中の学生が「はい」と答えた。
「本当に?」。そう言いながら教授は、教壇の下からバケツ一杯の砂利を取り出した。
その砂利を壺の中に流し込み、壺を揺すりながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。
そして、もう一度聞いた。「この壺は満杯か?」。
学生は答えられない。
一人の学生が「多分違うだろう」と答えた。
教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。
それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。
「これでこの壺は一杯になったか?」
学生は声をそろえて、「いや」と答えた。
教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと注いだ。
彼は学生に最後の質問を投げかける。
「僕が何を言いたいのかわかるだろうか」
少し考えてみてください。
(続きは、次回の「コトバの力」で。)