子どもの笑顔が輝く「食事」の工夫(子育てシリーズ㉓)

『やすらぎ子育てアドバイス』佐々木正美著から紹介します。
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食事というのは楽しくなければ食が進みません。
食事は人生の中で、とても大きな楽しみの一つです。
けれども、教育者や教育に熱心な親たちは、食事の時間に
教育をしようという間違いをしがちです。
食事の時にマナーを教えたり、好き嫌いを直そうとしたり
などのしつけをしようとするのです。

 立派な教育者であれば、どうしたら楽しく食事が
できるかを第一に配慮すべきです。
食事を楽しくする条件を満たしたうえで、できるだけたくさん、
内容の豊富なものを食べるように考えればいいですね。
食事の時間にこと細かい注意を受けたり、教育のために
頭を使いすぎたりしては、食べる意欲もなくなるでしょう。

 これはトイレットトレーニングと同じことです。
 排泄物を汚いと感じる親の子どもは、トイレに
マイナスのイメージを持ち、オムツの取れるのも遅くなります。
反対に、失敗しても、悲しいこと、ダメなこと、
不快なことと思わない親は、トイレットトレーニングが上手です。
トイレそのものに暗いイメージを与えなければ、子どもは意欲的に取り組むのです。

「楽しい食卓」こそ子供にとって最高のごちそう

いかに食事を楽しくするかに関心のある親ですと、
その子どもは食事に対してプラスのイメージを持ちます。
しかし、親が期待するものを期待する量だけ食べさせること
ばかりに関心が集中していれば、子どもにとって食事は
楽しいイメージにはなりません。

 それは、赤ちゃんの授乳であってもそうです。
赤ちゃんは、お母さんに抱かれて安らいでいられる
状態で授乳してもらう方が心地いいのです。
そのために最大の配慮をしてあげることが大切でしょう。
親のペースに合わせたり、親の安心のためだけに無理やり
飲ませたりすれば赤ちゃんは授乳が苦痛になります。
   (中略)

 食事の時間は訓練や教育の時間ではないのです。

どうしたら安らいで楽しく過ごせるかに最大の配慮が必要です。
意欲的に食事ができるようにすれば、イヤイヤ食事をして
遅くなることもなくなるでしょう。