幸せそうに見える人は、誰かを幸せにしている人
以前紹介した児童精神科医の佐々木正美氏の『育てにくい子と感じたときに読む本』から紹介します。
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わたしたちはもしかすると、自分の幸福は「自分だけ」の幸福なのだと、思いちがいをしてきたのではないでしょうか。
自分を大切にするということは、「自分だけ」を大切にすることだと、そう思ってしまったのではないでしょうか。
人間関係は、相互依存関係です。ですから、自分だけで自分自身を幸福にすることはできないのです。
わたしたちはみな、人間関係の中でしか幸福になることはできません。
周囲の人が不幸で、自分だけが幸福なんて、そんなことはありえないのです。
自分のことしか大切にできない人は、みな孤独になってしまい、いつしか心を病んでいきます。
他者を大切にできない人は、自分の人生も無為なものにしているのです。
幸せそうに見える人は、必ず「誰か」を幸せにしている人です。
それは自分の家族である場合もありますが、ボランティアとして助けている貧しい国の子どもだったり、スポーツ選手なら応援してくれるファンだったりもします。
どんなに素晴らしいホームランを打っても、喜んでくれるファンやチームメートがいなければ、うれしくなんてないでしょう。
どんな大金持ちになったとしても、孤独で誰も信じる人がいなければ、幸福などなれるはずがないのです。
幸せにはいろいろな形はあるでしょうけれど、「この人を幸せにしたい」という人をしっかり持つことでしか、幸せをつかむことはできないということだけは共通のことです。
やめなさいと言われても、人は人を幸せにすることをやめられないものなのです。
誰かを幸福にしないことには、自分が幸せになれないのですから。