後始末
旧みやざき中央新聞(現日本講演新聞)で丸山敏雄さんのことが書かれてありましたので紹介します。
丸山さんは亡くなってもう50年が経ちましたが、倫理法人会や家庭倫理の会の生みの親でした。
その没後50年を記念して孫の丸山敏秋さんが「丸山敏雄伝」を出版されました。
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丸山敏雄さんが生涯を通して取り組んだことがあるというのです。
それは何だと思いますか?
「生涯を通して」というのですから、「どんなことにも感謝する」とか「早起き」とか、
そんなことかと思っていたら、答えが意外なことでした。
それは「後始末」
私たちは事が終わると反省会をします。
反省して、それを次に生かそうとするわけですけど、あれも「後始末」だったんですね。
「終点は次の出発点である。後始末をしなければ次の仕事が始められない」
たとえば、「使ったら元の場所に戻す」。
これも後始末。
「その日に日記をつける」。
これも後始末。
「出張から帰ったら必ず記録をつける」
「使った傘は必ずしずくを落としてから所定の場所に置く」
「タオルを使った後は端をピンと引っ張って整える」
「書道の後は筆を洗い、一礼してからしまう」
「会議室、浴室、起床後の寝具は使う前より美しく整える」
これらもすべて後始末。
後始末の習慣ができてくると、いろんなことに気付けるようになるそうです。
喫茶店やレストランでのウエイトレスのちょっとした所作に好印象を持つとか。
この店にたくさんのお客さんが来るのは、窓ガラスがきちんと拭かれていて、床にはごみ一つ落ちていないからだとか。
「後始末は意識しないとできない。
習慣化すると簡単で、かつ楽しくなる。
公私を問わず、事の大小にかかわらずやる」
そして、
「事が終わったときに、すぐやる。それを逃すと億劫になる」
まさにそうですね。
出張後の報告書づくりは、すぐやればササッとできますが、時間が経つともうだめです。やらなくなります。
「この機を逃さず」という前向きな姿勢が「呼び水」となって、どんどん小さな成功につながっていきます。
小さい成功を繰り返していくと楽しくて仕方がなくなっていきます。
「後で」ではなく「今すぐ」を心掛けましょう。