春を待つ

この文章は30年前の雑誌PHPに出ていました。
すごく心に残ったので、ずっと保存しておいて時々
生徒に配布していました。
(巻頭言のようなところに出ていたような気がしますが、
作者は不明です。すみません。)
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春を待つ

いま願っていること、取り組んでいることが、成るか成らないか。
それを決める要因はいろいろあろうけれど、
その大きな一つに、時というものがある。
およそ何事でも、いかに望もうと時が至らなければ成就しないし、
いかにあせろうと、時節が到来しなければ、願いは叶わない。
それはあたかも、春が来なければ桜が咲かないのと同様で、
いわゆる大自然の力、天地自然の理の一つの働きであろう。
だから、いま願いが叶わないからといって、
あせることもなければあわてることもない。
きびしい寒さの中で、着々と力を貯えつつ、
花ひらく季節の到来を待つ桜のように、
なすべきをなしつつ静かに時の来るのを待てばよい。
とわかってはいても、待てといわれれば、
なおあせりが生じ、あわてがちなのが人の常。
ついつい不安に駆られ冷静さを失って、なすべきことを怠ってしまう。
けれども、時が来れば、必ず成るものは成るのである。

 寒風が肌を刺し、雪なお深くして、一年中で一番寒い今日この頃。
が、春はもう、すぐそこまで来ている。
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春はもうすぐです。
もう少し頑張ってみてください。