欠点があるから愛される

運命の流れを変える!しあわせの『スイッチ』
(ひすいこたろう+ひたかみひろ著)から紹介します。
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真夜中に、『スラムダンク』(発行部数一億冊を越える国民的バスケットマンガ)
を読んでいたときのこと。
涙がぽろぽろとあふれてきました。
感動して泣いてしまったのです。

作者の井上雄彦さんがインタビューで『スラムダンク』成功の秘訣を聞かれて、こう答えていました。
それは、「登場人物すべてに、必ず一つ欠点を作ること。」
何でもできるオールマイティな人間は絶対に描かないのだとか。

たしかに、主人公・桜木花道は才能はあるけれど、バスケを始めたばかりで経験がない。
そのライバル・流川楓はテクニックはスペシャルでも体力がない。
同じチームメイトの宮城リョータは、俊敏で縦横無尽に動き回れるが背が低い。
例外に見えるのが、敵である仙道彰。華麗な敵ニックを持ち、体力も抜群。
自ら豪快なダンクシュートを決めることもできれば、
まわりを生かすパスプレーも絶品。おまけに190cmの身長でイケメンです。
「おいおい、欠点ないじゃないか。」と思いきや、仙道彰には運がない。(笑)
ここぞという時は必ず負けてしまうのです。

登場人物に必ず欠点を作る。
これがマンガをおもしろくするコツだそう。

「アイツのここが許せない。」
「自分のここが嫌い。」・・・・・・・・・・・・・
いろいろありますが、欠点が世界を面白くするのです。

司馬遼太郎の小説に出てくる主人公も、必ず欠点が明確に描かれています。
坂本龍馬は不潔男として描かれ、高杉晋作は武芸オンチで海軍を目指しても
船酔いですぐにあきらめる情けない男。
でも、これがたまらない魅力になっているのです。

実は、月もそうです。
歌に読まれている月なんで、ほとんどが欠けたお月様ばかりです。
「三日月」「十六夜」「上弦の月」。
日本には、欠けた月の呼び名が、30以上あります。
お月様だって、欠けるからこそ、魅惑的なのです。

欠点があるから、人間的な魅力が増すし、長所が引き立つ。
そして、まわりの人はなぜか応援してしまう。
目が離せなくなるからです。

あなたの欠点。それは世界を面白くするための神様の演出だったのです。

あなたに「欠」かせない「点」と書いて「欠点」。
欠点こそ個性なんです。
人は欠点で愛されるのです。