笑顔の奥には
「教師の作法」西村徹先生の著物から紹介します。
鍵山秀三郎さんは日常の掃除の実践からその重要性を
世界中に広めた方で有名ですが、その鍵山さんについての話です。
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『鍵山秀三郎の流儀』を読んで驚いたことがあります。
鍵山先生といえば、まず笑顔を思い出しますが、
鍵山先生は次のようにお書きです。
「今この笑顔は外向けです。
私は、笑顔でいるのが普通の姿ではありません。
なぜなら、私はもともと無愛想で無口な人間だからです。
私が笑顔を作るというのは意識して努力しなければ
できないことなのです。」
この個所を読んで、まず驚きました。
さらに、こうあります。
「自分の性格にあぐらをかいて生きているような人は、
わがままな人だと思います。
私は、無口だから‥‥とか、短気だから‥‥とか、
私は大雑把だから‥‥とへらへらして、自分の性格を
いつまでも直そうとしない人、そういう人は大人とは言えません。
単なる幼児性が抜けない、身勝手な人間だと思います。
私は自分の無愛想な欠点を補うべく、これまで努力して
笑顔を作る訓練をしてきました。」
鍵山先生にお導きいただいたことは多くございますが、
この「笑顔」についてはとても自分を恥じました。
私は、笑顔の少ない人間です。
でも、その表情を笑顔に変える努力をしてきませんでした。
「自分の性格にあぐらをかかない」
その思いを持ち続け、明るい表情に努めたいと思います。
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笑顔の奥にでも努力がある。
それぞれの人の行動の奥には深い理由があることを知らされた話でした。