自分を励ます言葉をあなたはいくつ持っていますか。

日本講演新聞(旧みやざき中央新聞)の社説(水谷もり人編集長)から、
元NHKアナウンサーで現在フリーアナウンサーの加賀美幸子さんの
過去の記事(2007年6月号)がアーカイブとして掲載されていたので紹介します。
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自分を励ます言葉
     加賀美幸子 

私は昭和38年にNHKに入局し、放送の仕事でやってきました。
といっても何も自慢するものはなく、自慢できるのは年齢くらいかなと思います。

放送局では毎日すさまじい量の仕事をしていました。
大変なニュースもたくさん飛び込んできます。
笑ってばかりいられない現実もたくさん目にしてきましたが、
その一方で楽しい話にも出会ってきました。

私が担当していた『ラジオ深夜便』と言う番組の中で
女優の吉行和子さんからお話を伺ったことがあります。
 吉行さんは『がばいばあちゃん』と言う映画に出演されました。
「がばい」とは佐賀の方言で「頑張り」とか「すごい」という意味です。
その映画のセリフに私はとても胸を打たれました。
 吉行さんふんするおばあさんがこう言うんです。
「貧乏には明るい貧乏と暗い貧乏がある。
うちは明るい貧乏だから心配しなくていいよ。
しかも、今に始まった貧乏じゃなくてずっと
続いている貧乏だから自身を持ちな。」って。
 人から嫌われて落ち込んでいるときのセリフもありました。
「目立つから嫌われるんだよ。つまり、あんたは人より
目立つものを持っているってことだよ。自信を持ちな。」
いろいろ悩み事があって夜眠れない人には、
おばあちゃんはこう励まします。
「夜考えるから眠れないんだよ。朝考えてごらん。
そうすればなんでもないよ。」と。

 吉行さんのお話を伺いながら、
私は「これは自分を励ます言葉なんだなあ。」と思いました。
 皆さんは、自分を励ます言葉をいくつ持っていますか?
言葉は「伝える道具」だけではなく、「物事を考える道具」でもあるのです。
頭の中で考えている時、いつも言葉で考えているでしょう。
だから、素敵な言葉を持っていれば、
その言葉で自分自身を励ますことができるんですよ。
 私が生き馬の目を抜く放送局でずっと仕事を続けられてきたのも,
たくさんの言葉と出会い、その言葉に励まされてきたからのような気がしています。

人生というのは、みんなそれぞれ大変な状況がやってくるものです。
その時に、どんな言葉を自分自身が持っているかによって
困難の乗り越え方が変わってくるんではないかな。
私はそう思っているんですね。
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あなたはいくつ持っていますか。